55 聖ドミニコの死に際し、兄弟グアラの見た夢

 

彼の死と同じ日の同じ時刻、ブレスシアの修道院であり後に同市の司教となった兄弟グアラは、鐘堂で仮眠をしていて、天が開いてそこから二本の梯子が降りてくる夢を見た。最も高いところで、一本を主が、もう一本を聖母が支えていた。一番下のところには二本の梯子の間に椅子があり、ずきんで顔を隠した修道士が坐わっていた。修道会では死者の顔をずきんで覆って葬るのが習いであった。

主キリストと聖母は、低いところにあるものが上に着くまで、少しずつ梯子を引いていかれた。巨大な輝きと天使の歌声の中で、このようにして天に迎えられた。あの目もくらむような天の隙間が閉じられ、夢は全く消えた。

この現象を見た修道士は、大変弱く病気がちであったのが、そのとき体力を取り戻し、即座にボローニャに、向けて旅立った。そしてそこで、同じ日同じ時刻にキリストの僕ドミニコが死去したことを確かめた。これは彼の口から聞いたものである。