９ オスマの司教がデンマークに向けて出発し、ドミニコが異教徒の宿の主人を改宗させたこと
彼が美しいラケルの腕に抱かれていると、リヤはもはや後れをとることに耐え難くなり、活動生活を行なうことによって子を増やせば、彼女の醜さから解放する、と彼に約束したのである。
当時
カスティリアの国王アルフォンソは、息子のフェルナンドをデンマークの貴婦人と結婚させようと考えていた。このために、前述の司教に代理人として交渉してくれるようにと依頼の手紙を書いた。この高位の聖職者は国王の要求を人れ、彼の大いなる徳にふさわしい同行者を選び、また彼の教区の副院長である神の子聖ドミニコも伴って旅立った。そしてトゥールーズについた。その国の住民が異端に落ち人っていることを知ると、惨めにも過ちのうちに生きている数知れぬ霊いことを思い、感じやすい彼の胸は同情であふれた。
町に到着したその夜、副院長は、異端者である宿の主人と長い間討論した。彼の話は確信にあふれ熱していたので、その男は話し手の精神と知識に対抗することがでさなくなり、神のあわれれによって真実の信仰へと戻ったのである。