その血はお前たちのしるしとなる。私はお前たちを守る。

15. 「しるしとしての血」とは、キリストの印章を指し示す血塗られた神秘[1]であります。そして「しるし」とは、まだ真理そのものではございません。そのしるしは、来るべき真理のしるしであります。なぜなら破壊をもたらす打撃は、血によるしるしを、いわば家に塗るかのように、自分の魂に刻み込むと同時に、塗り込めた者たち全員を通り過ぎていったからであります。実際、「それらの家の中にその血が見えたなら、私はお前たちを守る。そして私がエジプトの地を打つとき、その殺戮の打撃はお前たちに及ばない[2]」と言われています。ですから、この「しるしとしての血」は、お守りなのであります。そして「その家の中」とは、魂の中ということであり、これは、信仰によって聖なるものとなった神的な霊の住まいであります。また、「私はお前たちを守る」とは、信じる人々を守るために拡げられたキリストのおん手の広大無辺な投影なのであります。



[1] to. e;naimon musth,rion

[2] Ex.12,13.