茨の冠・胆汁と酢い葡萄酒・血と水

53. 実に、(イエズスは)魂のために、勝利の戦いを行なわれました。そこで先ず、太古の大地の呪いを[1]すべて取り除かれ、さらに、生い茂る罪の茨を神的な頭で一掃して、(ご自分の)神聖なる頭に茨の冠を戴きました。 2 そして龍の苦くて酸っぱい胆汁[毒液]を飲み干し、今度はその代わりに、ご自身から湧き出る甘い水をことごとく、私たちのために注いでくださいました[2] 3 確かに(イエズスは)女の業を滅ぼし、そして以前(アダムの)脇腹から流れ出ていた死をもたらす水を塞き止めようと望まれて、いまやご自身の神聖な脇腹をおんみずからお開きになられたのであります。そしてそこから流れ出たのは、神聖なる「おん血とおん水[3]」、すなわち、数々の霊的で神秘的な婚姻の完璧なしるし、養子縁組と再生の完璧なしるしでありました。 4 実際、「そのおん方は、聖霊と火を通してあなた方に洗礼をお授けになるでしょう[4]」。水とは「霊において」ということであり、血とは「火において」ということであります。



[1] Cf.Gn.3,17-18.

[2] Cf. le Ps.-Origene,tr.IX(edit.Batiffol,Wilmart,p.101,16-17):<<sic peccato-rum nostrorum amaritudines fellis et aceti potio expiavit>>.

[3] Jn.19,34.

[4] Mt.3,11.