なぜ律法はエジプトの後に来たのが

10. 実に律法は、このようにして、神秘的な仕方で私たちのためにあらかじめ定められたものなのであります。しかし律法は、どうしてもエジプトの後で来なければなりませんでした。なぜかと申しますと、律法は、荒れ狂う魂やエジプトの人のように悪賢くふるまう心から、目に見えない数々の邪悪な小枝を切り落とし、数々の内的な思いから分厚く密生する茨を切断して、また、鋤を入れ畝みぞを作る要領で魂の深みを切り開くことによって、魂に道を付け若返らせ、天からの神的なみ言葉の種を受け容れるようにさせるからであります。ですから、神的な霊が次のように叫ぶのは、いかにも当然なことなのであります。「お前たちの休耕地を耕しなさい。茨の中に種をまくな[1]」とあります。 2 そういうわけでパスカも、先ず神秘的な仕方でエジプトから始められたのであります。なぜならパスカは、闇に満ちた偶像崇拝の最初の根絶であり、神を否定する偶像崇拝の狂気の神秘的な切断、迷妄から生まれる初子たちの種子を襲う夜中の正当な打撃だったからであります。



[1] Jr.4,3.