「私は私の家を捨て、私の嗣業地を見放し、私の愛する魂を、その敵どもの手に渡した[1]」。どうかあなたは、「神の姿において[2]」あるおん方が、諸々の天の中におられることをお考えください。その方の家は天の上にある[3]ことをお考えください。もしもあなたが、もっと上にあるものを見たいとお望みになるならば  (なぜなら)「私は父の内にいる[4](という言葉があるからです)  その方の家は神であることを、お考えください[5]。彼は、「父と母[6]」を捨てたのです。彼は「上なる天のエルサレム[7]」を捨てたのです[8]。そして地上にある場所に来て、言いました。「私は、私の家を捨て、私の嗣業地を見放した[9]」と。実際、そのおん方の嗣業地は、あの(天の)嗣業地だったのです。諸々の天使たちに伴われた場所だったのです。諸々の聖なる霊的存在者たちに伴われた場所だったのです。「私は、私の愛する魂を、その敵どもの手に渡した[10]」とあります。彼は、ご自分の魂を、魂の敵どもの手に渡されました。彼は、ご自分を殺害するユダヤ人たちの手に、ご自身の魂を渡されたのです。彼は、ご自分に逆らって結集した支配者たちの手に、諸々の王たちの手に、ご自分の魂を渡されたのです。「地の王は相謀って立ち上がり、諸々の支配者たちも、主と主に油注がれた者に逆らって集結した[11]」のでした。



[1] Jr.12,7.

[2] Ph.2,6.

[3] to.n oi=ikon u`peroura,nion

[4] Jn.14,11.

[5] Cf.Com.Jn.XX,18(16), §153.

[6] Mt.19,5.

[7] Ga.4,26.

[8] Cf.Com.Mt.XIV,17 (GCS 40,p.326,1).

[9] Jr.12,7.

[10] Jr.12,7.

[11] Ps.2,2;Ac.4,26.

 

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