またもしも、「散らされる」原因について、いまの説明の他に別の理由を付け加えねばならないなら、わたしたちは次のことを引き合いに出してみましょう。悪人たちが一緒に集まると、かれらは悪巧みをし、悪事を増やそうとします。それはちょうど善人たちが、一緒に集まると、善いことについて考えるのと同じであります。ですからな人たちが互いに引き離されるとき、かれらの悪いりごとも、たといそれが似たような悪人たちが集まって強めたものであるとしても、粉砕され引き裂かれるのです。それで神は、取るに足らない人たちが互いに一緒にいないようにお取り計りになるのです。そしてたぶん神は、かれらをもあらかじめおもんぱかっていることでしょう。すなわちそれは、悪がかれらとともに増幅することなく、かえって分解され減少するようになるためです。

以上は、「かれらを、男を、その兄弟を、かれらの父たちを、そしてかれらの息子たちを、一度に散らす、と主は言われる[1]」という言葉について述べてみたものです。


[1] Jr.13,14a.

 

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