17  それで、「獅子がそのねぐらから上ってきた[1]」のです。どこから? いつ? この獅子は、下に落ちていたのです。獅子は、地のもっとも深いところに降って行ったのです。(だから)「獅子はそのねぐらから上ってきた」のです。(ところが)あなたは人間です。あなたがどんな人であったとしても、あなたは悪魔よりも高潔であり、悪魔よりも優れています。 (これに対して)あの悪魔は、そ悪辣さのゆえに下の方にいるのです。

  このようにして「獅子は、そのねぐらから上り、諸国の民を滅ぼすために立ち上がりました[2]」。獅子は、自分の懲らしめにふさわしい場所である「自分のねぐらから上り」、「諸国の民を滅ぼすために立ち上がったのです。そして獅子は、あなたの土地を荒廃させる<ために>、その持ち場から出てきました[3]」。獅子は、つい先ほど私たちが話題にした、あなたの土地に入ろうと望んでいます。獅子は、私たち一人ひとりを食い物にしたいのです。獅子は、「あなたの土地を荒廃させ」、諸々の種子を踏みつける<ために>来るのです。それは、あなたの土地を荒れ野に変えるためなのであります。「それゆえあなたの町や村を、人が住めないほどに破壊する。それゆえあなた方は、粗布を身にまとわなければなりません[4]」。獅子が上り、獅子があなたを脅かし、あなたの土地を滅ぼし尽くそうとしているのですから、あなたは、粗布を身にまって、嘆き悲しみ、この獅子を自分から取り除けてくださり、また自分が獅子の口に落ちないように、神に祈りをもって願わなければなりません。実際、「羊飼いが獅子の口から二本の脚や耳たぶを引き抜くように[5]」、この獅子は、あなたの耳を奪おうとし、あなたの欲望に乗じてあなたに偽りの教えを投げ、あなたを真理から逸脱させて、あなたの二本の足を真理から奪い去り、食い尽くそうとしているのです。しかしあなたは、迫りくる敵を目にしたら、粗布を身にまとって胸を打ち、悲嘆に暮れて声を上げ、「主の怒りの激情[6]」があなたから遠ざかるように(神に)願いなさい。そしてその激情が去ったなら、獅子はもはやあなたに襲いかからなくなり、あなたは城壁に囲まれた町に入ったことになるのですから[7]、キリスト・イエスにおいてあなたを救い出してくださった神に、安んじて栄光を帰すことができるよう、(神に)願いなさい。キリスト・イエスに、栄光と力が代々にありますように。アーメン[8]



[1] Jr.4,7.

[2] Jr.4,7.

[3] Jr.4,7.

[4] Jr.4,7-8.

[5] Am.3,12.

[6] qumo.j o,rgh/j kuri,ou; cf.Jr.4,8.

[7] Cf.Jr.4,5.

[8] 1 P.4,11.

 

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