しかしイエスは、時として敵たちを殺害しました――それによって彼は、異端者たちが考えるように、残虐さを教えるのではなく、行われる諸々の事柄の中で、将来の諸々の秘跡を指示しています。それは、彼が私たちの中で罪の王国を保持する王たちを滅ぼしたとき、使徒が言ったことを私たちが果たせるようになるためです:「私たちが不義のために私たちの諸々の肢体を不義に仕えさせるために差し出したように、私たちは今、聖化のために私たちの諸々の肢体を義に仕えさせるために差し出しましょう[1]」とあります。

ですから、彼らによってこの箇所が残酷なものとして非難されるのは、どういうことでしょう。書かれていることは、次のことです:「あなた方は、あなた方の諸々の足を彼らの首の上に起きなさい。そしてあなた方は、彼らを殺害しなさい[2]」。一体、それらの言葉によって、残虐さではなく、人間性と慈善が見いだされるのではないでしょうか。

とにかく、あなたも次のようになりますように:すなわち、「あなたも、あなたの諸々の足を蛇たちと蠍たちの上に、そして一切の敵対的な力の上に起きなさい[3]」、そして「竜と大蛇――かつて、あなたの中で君臨し、あなたの中で罪の王国を保持していた小王――を踏みつけなさい[4]」とあります。それによって、あなたの中で罪の業によって君臨していたそれらすべての者たちが滅ぼされることによって、あなたの中に私たちの主なるキリスト・イエスだけが君臨するようになるためです。「彼に栄光と力が代々にありますように。アーメン[5]」。



[1] Rm.6,19.

[2] Jos.10,24.

[3] Lc.10,19.

[4] Ps.90,13.

[5] 1P.4,11.