次に、聖なる文書の習慣は、大地の四つの諸々の部分――(人々は)それらを諸々の軸とか諸々の帯とか名づけています――を呼ぶことですが、ユダ族の諸々の境界の記述の中では、二つ(の部分)だけが命名されていて、二つは沈黙されています。実際、次のように書かれています:「そして、ユダの子らの諸々の境界は、彼らの諸々の氏族ごとに、エドムの諸々の境界から、ツィンの荒れ野から西にまで作られた[1]」と。そして、(聖文書が)西からの諸々の境界を記述した後、次に次のことを言います:「そして一切の東、塩の海から[2]」と言っていますが、他の二つの諸々の部分、すなわち、北の(部分)と南の(部分)を沈黙しました。ですからあなたは、それらの箇所は諸々の神秘に満ちていないかどうかお考えください。私たちは、それらの一つひとつを理解したり説明したりすることができなくても、しかしながら主がお許しになって下さる限りで、そして私たちが捉えることができる限りで、一つひとつの事柄を検討することを試みましょう。

「そして、ユダの子らの諸々の境界は、彼らの諸々の氏族ごとに、エドムの諸々の境界から、ツィンの荒れ野から西にまで作られた[3](と聖文書は)言っています。したがって、ユダの諸々の境界は、エドムの諸々の境界に隣接しています。ところでエドムは、私たち既にしばしば申したように、諸々の土地的なもの解釈されます[4]。ですから、諸々の土地的な事柄の後に、ユダの諸々の境界が直ちに続きます。しかし、「ツィンの荒れ野から」とも(聖文書は)言っています。ところでツィンは、諸々の試みと解釈されます[5]。ですから、諸々の試みの後でユダの嗣業地の諸々の境界が続きます。また、私たちが上に述べた隣接する諸々の場所、いやむしろ境を同じくする諸々の場所は、西および東と命名されます。しかし、「エジプトの谷[6]」の(諸々の場所)も、西方の諸々の部分に隣接するものとして示されています。その谷は、荒れ野から西にかけてあります。他方、(ユダの子らの)諸々の境界は、東からは塩の海によって囲まれています。



[1] Jos.15,1.

[2] Cf.Jos.15,5.

[3] Jos.15,1.

[4] Cf.Com,Lm.Jr,,frag.117(Kl.,p.277).

[5] Cf.Hom.Nb.27,11; Hom.Ex.11,1.

[6] Jos.15,4.