第二十二講話

エフライムの部族とカナン人たちについて[1]

 

 カナン人たちは、エフライムの子らの中にいると実に三度も言われました。しかし私たちは、それぞれの箇所の中で言われている諸々の事柄の順序が何であるかを観察しましょう:すなわち、カナン人たちがエフライムの子らと一緒にいると言っている第一の言葉が何を含んでいるか、そして、第二の言葉と第三の言葉が何を含んでいるかを観察しましょう。実際、カナン人たちがエフライムの子らと一緒にいるとどうして三度も言われているかを、もしも私たちがより注意深く観察するなら、そして、神が応えて下さることによって、言われている諸々の事柄の順序を探求し、何がその(順序の)中で、何が第二の箇所の中で、何が第三の箇所の中で為されていると宣べられているかを探求すことができたなら、行われた諸々の事柄の(歴史的な)物語がだけが私たちに伝えられるために、それらの事柄は書かれたのでなく、神的で神に相応しい諸々の秘跡に真実に満たされていることに対して私たちは不信にならないだろうと、私は思います。

さて、第一に言われている事柄は次のことです:「エフライムは、ゲゼルの中に住んでいたカナン人を滅ぼさなかった。むしろ、カナン人はエフライムの中で今日の中に至るまで住んでいた。そして、(カナン人は強制労働という)貢物の下で奴隷となった――エジプトの王ファラオが昇り、そして町を受け取り、そしてそれを火で焼き、そしてカナン人たちとペリジ人たちと、ゲゼルの中に住んでいた人たちを殺害した。そしてファラオは、その町を自分の娘に持参金として与えた[2]」と。第二に(聖文書は)次のことを言っています:「そして次のことが起こった:イスラエルの子らは強力になった。そして彼らは、カナン人たちを服従者たちにさせたが、追放によって彼らを追放しなかった[3]」。第三に(次のことが言われています:エフライムの部族に属する男たちがイエスに反言し[4]、自分たちの数多に即して――なぜなら彼らは、いっそう多数で、強力であったから――嗣業地のもっと大きな分け前を受け取ることを望み、もっと広い諸々の空間を占領することができるように森の中へ昇って、自分たちの自身のためにより広い場所を作ることを命じられたとき、彼らは、カナン人を追放することを命じられています。



[1] Cf.Procope, 1033C – 1036C

[2] Jos.16,10 et 1R.9,16.

[3] Jos.17,13.

[4] Cf.Jos.17,14v.