第七講話

エリコについて、どのようにしてそれは捕らえたか。そしてラハブは、どのようにして救われたか。そして、黄金の舌と純粋な腕輪を呪詛から奪い取った人について。

 エリコは、祭司たちの諸々の角笛によって倒壊されます。なぜなら、諸々の角笛の騒音が轟くや否や、諸々の壁の外周は倒されたからです[1]

以前に私たちは、エリコは、現在の代の形姿を保持していると言いました。そして私たちは、その堅牢さと諸々の防壁が諸々の祭司的な角笛によって破壊されたのを見ています。実際、強固さと諸々の防壁――それらをいわば諸々の防壁にして、この世界は使っていました――は、諸々の偶像の祭儀でした;悪霊たちの策術によってもたらされた諸々の占いの欺瞞、卜占と腸占と魔術師たちの諸々の考案でした。この世界は、それらすべての、いわば極めて強固な諸々の城壁によって取り囲まれていました。その上さらに(この世界は)、哲学者たちの多様な諸々の教説と討論における諸々の傑出した主張によって、いわばそれらをある崇高で強固な角の諸々の櫓にして、強固にされていました。

しかし、私たちの主、イエス・キリストが来て――あの前出のヌンの子は、彼の到来をしめしていました――、司祭たち、使徒たち、ご自分の「導きの諸々の角笛[2]」を担う者たち、厳かで天的な教えを担う者たちを派遣します。祭司的な角笛によって最初に人マタイが、自分の福音の中で音を出しました。マルコもルカとヨハネも、各自の諸々の祭司的な角笛によって歌いました。ペトロも、自分の諸々の書簡によって高らかに歌います。ヤコブもユダも(高らかに歌います)。さらにヨハネも、自分の諸々の書簡を通して歌っていること、そして、使徒たちの諸々の行いを記述するルカも(歌っていること)を付け加えます[3]。最後に、「神は私たち使徒たちを最後の人たちとして差し出したと、私は思う[4]」と述べたあの人が来ます。彼は、自分の十四通の書簡の諸々の角笛の中で雷鳴を轟かせ、エリコの諸々の壁と、偶像のすべての諸々の絡繰りと哲学者たちの諸々の教説を諸々の基礎に至るまでなぎ倒しました。



[1] Cf.Jos.6,20.

[2] Nb.10,2.

[3] 構文上、「付け加える」の主語は、ヨハネとルカである。

[4] 1Co.4,9.