第八講話

アイの破壊の中で行われた諸々の事柄について、そして、その部分的な王について、そして、二重の木について。

 神聖なる諸々の巻物の読者たちよ、私たちはあなた方にお願いします――朗読されている諸々の事柄を、それらの事柄の物語があまり面白くないように見えるからという理由で、倦怠や嫌気をもって聞きませんように。実にあなたは、朗読されている諸々の事柄が聖霊の雄弁に相応しいものであることを知るべきです。しかし、それらの事柄を説明するには、私たちは、聖霊の恵みが必要です。その恵みについて使徒は言っています:「しかし他の人には、霊を通して知恵の言葉が与えられ、他の人には同じ霊に即した知識の言葉が(与えられます)[1]」と。ですから、目下の諸々の個所の中で――それらの個所の中では、イエスがモーセを引き継ぎ、彼が民を導くことが語られています――私たちは、その恵みを必要とします。そして、今の朗読の中では、そのような或る物語が素描されています。

アイの町に住んでいた人たちは、最初は、イスラエルの子らを――彼らが犯した罪の故に――打ち負かし、敗走したように見えました[2]。しかし、彼らのただ中から悪が取り去られた後、民の指導者であるイエスは、神によって、民を二つの部分に分けるように命令されます。それは、一方(の民)は退却を装うために、他方(の民)は、諸々の待ち伏せ場所――イエスが命令を出したとき、それらの待ち伏せ場所よってアイは欺かれました――の中に潜むためです。それらの事柄が整えられたとき、アイの王は、イエスとイスラエルの子らを遠くから見て、彼らに対して戦闘のために奮い立たされました。ところが彼らは退却を装うので、彼ら(敵たち)はいっそう激しく追撃します。そして、敵たちから諸々の戦利品を引き出すかのように、すべての者たちが町から進み出ます。こうして()書が言っているように、彼らは町を空にします[3]。しかし、彼らが所定の場所の中に進み出た後、イエスは振り返って指示を出し、諸々の待ち伏せ場所の中にいた者たちが立ち上がって、敵たちの諸々の背中を打つようにさせました。そして、そのようにして、最後の者たちと最初の者たちは、敵たちを包囲して、全員を殺害しました。そして、アイに住んでいた者たちはそのような仕方で打ち負かされると、彼らは、彼らの王を二重の木に吊しました[4]



[1] 1Co.12,8.

[2] Cf.Jos.7,4.

[3] Cf.Jos.8,5-6.

[4] Cf.Jos.8,28.