第十二講話

 み使いが天から来て、主の誕生を羊飼いたちに告げたと書かれていることについて[1]

 私の主なるイエス[2]がお生まれになり、み使いがその誕生を告げるために天から降りてきました。では、み使いが主の到来を告げるために誰を探していたか、私たちは考察してみましょう。み使いは、エルサレムに来たのではありません。み使いは、律法学者たちとパリサイ派の人たちを探したのではありません。ユダヤ人たちの会堂に入ったのでもありません。むしろみ使いは、群れのために寝ずの番をしていた羊飼いたちを見出し、彼らに語ったのです。「今日、あなた方のために、救い主がお生まれになりました。この方こそ、主なるメシアです[3]」と。



[1] Lc.2,8-12.

[2] Dominus meus Iesus(私の主なるイエス)という句は、オリゲネスの作品にしばしば出てくる。これは、キリストに対する彼の親しみをよく表している。

[3] Lc.2,811.

 

次へ