第二十七講話

「実に彼(ヨハネ)は、勇気づけながら、その他にも多くの事柄を告げていた」と書かれていることから、「聖霊が彼(イエス)の上に降った」と言っている個所まで[1]

 福音のみ言葉を教える人は、一つの事柄を告げるのではなく、非常に多くの事柄を告げます。実際、聖書は、このことを指して次のように言っています。「実に彼(ヨハネ)は、勇気づけながら、その他にも多くの事柄を告げていた[2]」と。こうしてヨハネは、(聖書に)書かれていないその他の諸々の事柄を、民に宣べ伝えていました。他方、書かれた事柄について、皆さんは、それらがどれだけたくさんあるか、お考え下さい。彼は、キリストを告げました。彼はキリストを指差しました。彼は聖霊の洗礼を宣べ伝えました。徴税人たちに救いを教えました。兵士たちに規律――広場を掃除すること、諸々の木を切り払うこと、福音の物語が語るその他の諸々の事柄――を教えました。ですから(聖書に)書き記されたこれらの事柄を差し引いても、さらに(聖書に)書き記されていないその他の諸々の事柄を、彼が告げたことが、「実に彼は、勇気づけながら、その他にも多くの事柄を民に告げていた」と言われていることの内に示されています。



[1] Lc.3,18-22.

[2] Lc.3,18.

 

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