ヨハネによる福音においても、キリストについて、「この書に書き記されていない[1]」その他に多くの事柄をお語りになったと述べられています。「それらは、もしも書き記されたなら、この世界そのものも、書かれるべき諸々の書物を収めることはできないだろうと私は思う[2]」とあります。それと同じように、目下の個所におきましても、あなたは次のようにご理解ください。すなわち諸々の文字に託すにはあまりにも多くの何らかの事柄がヨハネによって告げられていたため、おそらくルカは、それらの事柄を一つひとつ名をあげて語ることを望まず、ただそれらの事柄が言われたということだけを示して、次のように言ったのでしょう。「実に彼は、勇気づけながら、その他にも多くの事柄を民に告げていた[3]」と。

 さらに引き続く個所から、取り分け「諸々の婦人たちから生まれた子どもの中で、洗礼者ヨハネよりも偉大なものは一人もいなかったこと[4]」、そして彼が功徳によって、大多数の人からキリストと見なされるほどの高い評判を得たということから[5]、私たちはヨハネに驚嘆するにちがいありません。



[1] Jn.20,30.

[2] Jn.21,25.

[3] Lc.3,18.

[4] Lc.7,28.

[5] Cf.Hom.Lc.XXV,3.

 

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