第三十九講話

7人の夫を持った婦人に関して、主に提示したサドカイ派の人たちの質問について。ならびに、救い主がご自分に見せるように命じたデナリ銀貨について[1]

 サドカイ派と呼ばれる派閥が、ユダヤ人たちの間にあります。この派閥は、「死者たちの復活[2]」を否定し、魂は体とともに滅び、諸感覚は死後には存続しないと考えています[3]。彼らは、主に問題を提起し、7人の男の女の作り話を考案しました。すなわち、その女は、最初の男の()後、その男の種を回復するために、別の男と結婚します。しかしその男の死後、3人目の男と結婚しますが、この男が死んだ後、再び結婚しました。こうして彼女は、7人の男(と結婚する)に至りました。そこで、「死者たちの復活のとき」、それら7人の兄弟たちの内の誰が彼女を自分の妻とするのかが質問されました。サドカイ派の人たちは、救い主が復活について弟子たちに教えているのを見たとき、救い主の言葉尻を捕らえようと、この問題を提起したのです。



[1] Lc.20,27-40; 20,21-26.

[2] Lc.20,27.

[3] Cf.Com.Mt.XVII, 29 (GCS 10, 665).

 

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