26 さらに、『創世記』の中に、神が次のように言っている――神は疑いもなくみ使いたちに向かって語っています――と書かれているのを私たちは読みます。すなわち、「さあ、我々は彼らの諸々の言語を混乱させよう[1]」。様々なみ使いたちが、人間たちにおける様々な言語と表現に関わっていたこと以外の何が考えられるでしょうか。たとえば、或るみ使いは或る人間にバビロニア語を植え込みました。他のみ使いはギリシア語を植え込みました。同様に、おそらく様々な民族の諸々の支配者となったみ使いたちも、諸々の言語や表現の創設者であったと思われます。しかし、原始にアダムを通して与えられた言語は――私たちはヘブライ語を考えています――は、或る天使や支配者の持ち分にはならず、「神の持ち分[2]」のままであった人間たちの内で存続したのでしょう。



[1] Gn.11,7.

[2] Cf.Dt.32,9.

 

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