民数記第十二講話

井戸と井戸の讃歌について

 井戸と、イスラエルが井戸の傍らで歌った讃歌とについて、『民数記』からの朗読が私たちに為されました。その朗読には、いつものように、いやむしろおろらくいつも以上に、数々の神秘に満ち溢れているのを私たちは見るでしょう。実際それはこう言っています:「そしてそこから井戸。これは、主がモーセに『あなたは、民を集めなさい。そうすれば私は彼らに水を飲ませてやろう』言った井戸である[1]」。これらの言葉の中に、歴史的な文字は多くの正当な事柄を所有していないように見えます。実際、主が、民に井戸から水を飲ませるために、モーセに民を集めるように強く命じたのは、一体どういうことでしょうか――あたかも民が、飲むために自発的に井戸に集ろうとしないかのように。一体なぜ預言者に、井戸の水を汲むために、みずからの熱意と努力で民を集めることが強く命じられたのでしょうか。



[1] Nb.21,16.