10 あなたは、彼らがどのような諸々の井戸に来たかを、私が(諸々の聖)文書から、あなた方に示すことをお望みですか。「塩味の谷」があり、その谷の中に「瀝青の諸々の井戸[1]」があります。ところで、一切の異端と一切の罪は谷の中、しかも塩味の谷の中にあります。実際、罪と不正は、上方に昇らず、いつも、諸々の底と諸々のより低い所に降ります。したがって谷の中にも、塩味のついた苦味のある異端的な考えと、一切の罪の行為が存在します。なぜなら罪は、どのような甘味と甘美さを持つことができるでしょうか。さらにそれ以上のことがあります。すなわち、もしもあなたが異端的な理解に来たなら、もしもあなたが罪の苦味に来たなら、あなたは瀝青の諸々の井戸に来たことになります。瀝青は、火の食べ物、火を滋養物です。ですから、もしもあなたも、それらの井戸から水を味わったなら、もしもあなたが異端的な考えを採用したなら、もしもあなたが罪の苦味を受け入れたなら、あなたは、あなたの中に、諸々の火口、ゲヘナの諸々の着火を準備することになるでしょう。それゆえ、「司たちと王たちが掘った[2]」あの井戸から水を飲むことを望まず、罪の谷の中にいて火の諸々の燃料を備える人たちから水を飲もうとする人たちに、次のように言われます:「あなた方は進みなさい――あなたが他の火の光の内に、あなた方があなた方のために点した炎の光の内に[3]」と。



[1] Cf.Gn.14,10.

[2] Nb.21,18.

[3] Is.50,11.

 

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