12 ああ。ツィポルの子バラク王よ。あなたに戦いが迫っています。兵士のたちの「六十万人[1]」があなたの諸々の国境に侵攻しようとしています。あなたも、まだ遠くにいる敵に対し、諸々の武器を装備して立ち向かうために、諸々の武器を準備し、軍隊を集め、戦闘の組み立てについて考えるべきでした。しかしあなたは、占い師「バラムに(使者を)派遣し[2]」、多くの贈り物を贈り、さらに多くの事柄を約束し、言いました:「あなたは来て、エジプトから脱出してきた民を、私のために呪ってください[3]」。ところがバラムは、()文書が教えるところによると、その頃を神に報告し、神によって行くことを禁止されました。しかし王は、またも使者たちを派遣し、諸々の武器をなおざりにして、一切の望みをバラムに置きまたした――彼が来、諸々の言葉を言い放ち、諸々の槍の代わりに諸々の呪いが民に投げられるために;王の軍隊では優ることのできなかった民がバラムの諸々の言葉によって打ち負かされるのではないかと[4]

 この歴史は、帰結の何がしかを持っているのでしょうか。勧告の何がしかを示しているのでしょうか。(一体このような歴史が)いつ、どこで聞かれたのでしょうか。王たちの誰が、自分に戦いが差し迫っているにもかかわらず、諸々の武器を顧みず、軍隊をなおざりにして、占い師や腸卜僧の諸々の言葉にすがったでしょうか。そこで、何度も何度も、神の恵みが私たちによって求められねばなりません――これが、架空のユダヤ的な諸々の物語によってでなく、神的な律法に相応しく理性的な諸々の理解によって解明されるために[5]



[1] Cf.Nb.26,51.

[2] Cf.Nb.22,5.

[3] Cf.Nb.22,6.

[4] Cf.Nb.22,8-15.

[5] オリゲネスの聖書解釈の一貫した原則が表明されている。彼の解釈原理は、信仰と(ギリシア的な)理性である。盗用厳禁。

 

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