次の言葉が、それらの後に付け加えられます。(聖文書は)言います:「そして、イスラエルの子らは、彼のすべての土地で君臨した[1]」と。実に、この地上のすべての国土は、シホンの土地と言われます。しかし、キリストと彼の教会が、シホンのすべての土地で君臨します。「そして彼らは、アルノンからヤボクまで君臨した[2]」とあります。アルノンとヤボクは、シホンの町でした。しかし彼の王国の始まりはアルノンで、終わりはヤボクでした。それで、「彼らは、アルノンからヤボクまで君臨した」と言われます。ところで、アルノンは、「彼らの諸々の呪い」と解釈されます。ですから、諸々の呪いが、この思い上がって実りのないシホンの王国の始まりです。終わりはヤボクです。これは、「格闘」と解釈されます。実際、悪魔の王国から脱出し、その諸々の国境を越えたいと望む人は皆、格闘に遭遇するのが必然であり、悪魔の奉仕者たちと従者たちとがその人に対して数々の戦いを仕掛けるのは必然です。しかし、もしもその人が格闘して勝ったなら、ヤボクはもはやシホンの町ではないでしょう。それは、イスラエルの町になるでしょう。疑いもなくそれは、私たちが太祖ヤコブについて読んでいることでもあります。すなわちヤコブはある場所に来ましたが、戦いが彼に対して準備されていました。彼はそこで夜もすがら戦いましたが、よく耐えて、神のために勝ったとき、彼の名はイスラエルとなりました[3]



[1] Nb.21.24.

[2] Nb.21.24.

[3] Cf.Gn.32,23-29.

 

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