15 このバラムは、上で私たちが申したように、神的でした。すなわち彼は、悪霊たちの奉仕と魔術とによってしばしば諸々の未来を予知しました[1]。彼は、王バラクによって、イスラエルの民を呪うように求められました。使節の人たちが来て、諸々の手に占いに関する品々をもってきました。諸国の民の人たちは驚嘆して不安に満ち、バラムが何を応えるか待ち望みました。なぜなら彼らは、彼について、彼が神との諸々の談話に相応しいという確信を持っていたからです。いま、あなたは、どのようにして神の知恵が、「汚いことのため備えられたこの器[2]」を、たった一つの民族の利益のためばかりでなく、ほとんど全世界の利益のために役立たせたかをご覧ください。彼には悪霊たちが現れるのが常でしたが、(今度は)神が現れて、悪の業の旅路を禁じました[3]。バラムは驚嘆し、禁止する方の権威に驚愕しました。なぜなら悪が、悪霊たちにとって不快であるというのは常のことではなかったからです。差し当たり彼は使節の人たちを送り返し、神が彼の口の中に与えた言葉以外に行うことができないと告げました[4]。使節の人たちは、再びやってきました。彼は再び求めました。彼は再び当惑しました。彼は再び聞くことを望みました。なぜなら貪欲な人が諸々の報酬を諦めるのは容易ではないからです[5]。では彼は、今度は神から何を聞いたのでしょうか:「もしもそれらの人たちがあなたを呼びに着たなら、あなたは立ち、彼らとともに行きなさい[6]」。この言葉の中で神は彼の貪欲の意思に応え、「(神は)彼らを、彼らの心の願望の内に放置した。彼らは、各自の諸々の意思の内に進むだろう[7]」と書かれていることが成就されるようにしました。しかし、神的な経綸の計画はは達成されます。なぜなら彼は次のように言われているいからです:「私があなたの口の中で与える言葉を、あなたはことごとく語りなさい[8]」と。



[1] Cf.Nb.22,6.

[2] Cf.2Tm.2,20.

[3] Cf.Nb.22,12.

[4] Cf.Nb.22,38.

[5] Cf.Nb.22,18.

[6] Nb.22,20.

[7] Ps.80,13.

[8] Nb.22,28.

 

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