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 しかし、私たちがその問題に着手する前に、私たちがこの箇所に関して注目した事柄を無視しないようにしましょう。ヘブライ人たちの諸々の書物の中で、神の名前――すなわち神あるいは主――は[1]、様々な仕方で書かれていると言われます。実際、ある場合には、どのような神も(神として)書かれています。別の場合には、次のように言われる神ご自身について書かれています:「聞け、イスラエルよ。主なるあなたの神は、唯一の神である[2]」。このイスラエルの神、「万物の造り主[3]」である唯一の神は、諸々の文字からなる特別な印しで書かれています。そのしるしは、彼らの間で、「(神聖)四文字[4]」と言われています。したがってもしも神が、(聖なる)諸文書の中でその印しで書かれているなら、世界の造り主である真の神について言われていることに、まったく疑いはありません。それに対し、もしも他の――すなわち普通の――諸々の文字で書かれている場合には、真の神について言われているのか、他の神々の内の一人について言われているのか定かではありません。使徒は、それらの神々について次のように言っています:「たとえ、天の中や地の中に――多くの神々が存在し、多くの主が存在するかのように――神々と言われる者たちが存在するとしても、私たちには、父なる唯一の神がいます。万物と私たちは彼に由来し、彼ご自身によってあります[5]」。そこで、ヘブライ語の諸々の書物を読む人たちは、この箇所では、神が(神聖)四文字の下に置かれていないと言います。そのことについては、できる人が探求してください。



[1] nomen Dei, hoc est Deus vel Dominus

[2] Dt.6,4.

[3] 2M.13,14.

[4] tetragrammaton

[5] 1Co.8,5-6.

 

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