それらの山々はそのようなものでした。そしてそれらは、朝日[1]を持っていました。実際、「光の天使のようにみずからを変える[2]」者は、光の上昇を持っています。彼は、「不敬虔な者たちの光は消されるだろう[3]」と書かれている光を持っています。そして、その「不敬虔な者たちの光」と、「光の天使のようにみずからを変える」光は、「私は世の光である[4]」と言った光に敵対しています。それと同じように、この「朝日」も、『エレミア書』の中で次のようにと書かれている朝日に敵対しています[5]:「この男を見よ。朝日が彼の名前である[6]」と。ですから、この後者の朝日の地域からではなく、前者の朝日の地域から、バラムは来ました。彼は疑いもなく、次のように書かれているあのルシフェルによって照らされています。こうあります:「朝に昇るルシフェルはどのようにして天から落ちたのか[7]」と。



[1] 原語はoriensで、「東方」と訳すのが普通であるが、この箇所では文脈に即し、その本来の意味で「昇る朝日」と訳した。

[2] 2Co.11,14.

[3] Jb.18,5.

[4] Jn.8,12.

[5] 「敵対する二つの朝日」の思想は、オリゲネスに独自のもではない。

[6] Za.6,12.ラテン語訳では『エレミア書』となっているが、『ゼカリア書』からの引用。オリゲネスの記憶違いとするのが妥当であるが、いろいろな要因が考えられる。

[7] Is.14,12.

 

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