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 それらは、バラムの諸々の発言の中の第二の預言に続くものです。では、先ず私たちは、彼が次のように言っていることを見てみましょう:「バラクよ、立て。そして聞け[1]」とあります。もしも(聖文書が)先の箇所で、「彼は自分の焼き尽くす献げ物の傍らに立っていた[2]」と言っていなければ、なぜ彼が「バラクよ、立て」と言ったかをわざわざ探求する必要はないように思われます。ところが彼は、「立っている」と(聖文書が)言った人に立ち上がるように勧めているわけですから、預言の言葉を無為にやり過ごすべきではありません。(聖文書は)先の箇所で「彼が自分の焼き尽くす献げ物の傍らに立っていた」と言っていることは、彼が正しく立っていないことを示しています。なぜなら彼は、偶像崇拝の内に置かれて立っており,神の敵のように立っていたからです。それは、立っているのではなく、むしろ倒れることです。そこで、その状態のために倒れるにちがいない人であるかのように、いやむしろ倒れてしまった人として、今このような預言的な理解において、彼(バラク)が立ち上がるように(彼バラムは)命令しています。なんといっても彼は、偶像崇拝の内に立っているように見られていたということによって倒れていたからです。ですから、そのような人は立ち上がるべきです。魂によって[3]立ち上がるべきです。信仰によって立ち上がるべきです。証人になるべきです。もしも回心すれば、彼は証人になるでしょう。しかしもしも不信仰のままであれば、彼は、みずからの有罪判決の証人になるでしょう。



[1][1] Nb.23,18.

[2][2] Nb.23,18.

[3][3] 「魂によって」(animo)は、「勇気をもって」と訳すべきだが、いつものように訳者(朱門)は直訳した。

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