20 しかし、いま私たちは、(バラムが)キリストについてどんなことを預言しているか見てみましょう。彼は、キリストについて言っています:「彼の種から人間が出てきて、諸国の多くの民に君臨するだろう。そして彼の国はアガグよりも高められ、彼の国は成長するだろう。神は彼をエジプトから導き出した――一角獣の栄光が彼にあるかのように[1]」と。キリストは、肉によればイスラエルの種から出てきた方です。彼がどのようにしてしょこくのた見に君臨するのかは、御父によって彼に言われた言葉を読む人にとっては説明の必要がないでしょう。こう言われています:「あなたは私から求めなさい。そうすれば私は、諸国の民をあなたの嗣業として、地の諸々の果をあなたの所有物としてあなたに与えるだろう[2]」と。しかし、「彼の国はアガグよりも高められるだろう[3]」と(バラムが)言っていることは何でしょうか。アガグは、「諸々の屋根を越えて」と解釈されます。この箇所の中では、(人々によって)考えられているように、諸国の民の何らかの名前として置かれているわけではありません。(この箇所の中では)他の幾つかの箇所の中でと同じように、ヘブライ語の言葉そのものが翻訳されずに放置されています。そのためこれは、何らかの民について語られたと思われるのです。ですからその言葉の帰結はこうです:「彼の国は諸々の屋根を越えて高められ、彼の国は栄えるだろう」と。



[1] Nb.24,7-8:訳者(朱門)は愚直に訳している。その理由は、次節より明らかである。

[2] Ps.2,8.

[3] Nb.24,7.

 

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