さて今度は、バラムが第三の預言において公言した諸々の事柄が何であるかを、私たちは見てみましょう。(聖文書はこう)言っています:「ベオルの子バラムが言った。真実に見る人間が言った。力ある方の諸々の言葉を聞く者が言った。神の幻を諸々の夢の中で見た者、彼の開かれた諸々の目[1]」。バラムがこれほど大きな賛辞に相応しいと考えら得ているのは、実に驚くべきことです。なぜなら彼は、「諸々のたとえ話を受け取って[2]」、自分自身についてそれらの事柄を告げたからです。実際、どうしてバラムが「真実に見る人間」なのでしょうか。彼は、予言と諸々の占いに専念し、私たちが既に述べたように魔術にも熱中していました。それは大いに驚くべきことです――先ほど「神の霊が彼の中に臨み[3]」、「神の言葉が彼の口の中に置かれた[4]」と言われたがゆえに、それらの言葉は、彼に関する諸々の偉大な賛辞として書かれたものだと考えられるのでなければ。モーセであれ、他の預言者たちの誰であれ、それほど大きな賛辞によって高められたの人は、容易に見いだされないでしょう。



[1] Nb.24,3-4.

[2] Nb.24,3.

[3] Nb,24,2.

[4] Nb,23,5.

 

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