しかし、私たちはいま、「エサウの子エリファズの内縁の妻ティムナがエリファズのため生んだエリファズの子[1]」アマレクを見てみましょう。彼の父は、「神は私を散らした」と解釈されるエリファズです。他方、(彼の)母はティムナです。彼女は先ず第一に卑賤で、次に「動揺した欠陥」と解釈されます。とにかく(アマレクは)、そのような人たちから産まれたわけですから、必然的に、イスラエルの敵であり、(イスラエルの)民を「なめ尽くす」か「逸らせます[2]」。実際、彼こそは初めて、エジプトから脱出したヘブライ人たちを、レフィディムにおける戦いで、攻撃しました。そのとき、モーセはヨシュアに次のように言っています:「あなたは、あなたのために男たちを選び、出て行き、明日、アマレクと戦いなさい。そして見よ、私は丘の頂に立つ。そして、神の杖は私の手の中にあるだろう。そして、ヨシュアは、モーセが彼に言ったとおりに行い、アマレクと戦った。他方、モーセとアロンとフルは、丘の頂に登った。そして、モーセが諸々の手を挙げると、イスラエルが優勢になり、自分の諸々の手を下ろすと、アマレクが優勢になった[3]」。また少し後で、次のように書かれています:「ヨシュアは、アマレクを敗走させ、彼の民を剣で斬り捨てた。そのとき、主はモーセに言った:『あなたは、それらの事柄を本の中に記憶のために書き加え、ヨシュアの諸々の耳の中で言いなさい:私は、アマレクの記憶を、天の下から消し尽くすと』。そして、モーセは祭壇を築き、その名前を『主は我が避け所』と名づけて、言った:『主は、隠された手の中で、アマレクを世代から世代へと打ち破る』と[4]」。そのことからあなたは、アマレクが誰であると理解されるべきかを、いっそう明瞭に理解すべきです。神は、世代から世代へと、隠された手によって、すなわち不可視的な手によって、打ち破ると言われています。



[1] Cf.Gn.36,12:さすがにこの引用文は、意訳した。

[2] 前節を参照せよ。

[3] Ex.17,8-11.

[4] Ex.17,13-16.

 

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