盗用厳禁

 さて、あなたはここで、どのようにして神が、王サウルに、アマレクを攻撃し、彼らに由来するすべてのものを惜しまないように命じたかに注目してください。そして、彼は、アマレクの王アガグを惜しんだがゆえに、贖い得ないひどい顰蹙を引き起こして、神を激しく動かし、その本性が許容する事柄に反して、次のように言わしめるに至りました:「私は、サウルに油を塗って王にしたことを悔やむ[1]」と。ですから、民を(目的地から)逸らしたり、なめ尽くして貪り食う人を惜しむことは、私たちにとって有益なことではありません。すなわちその人は、エジプトから昇り、この世の諸々の闇から逃れ、約束の地に向かおうとする人たちに対して途上で立ちはだかって、私たちを攻撃する不可視的なアマレクです。そして、もしも私たちが、疲れ切り、力尽きてしまい、後方を振り返り、最後尾の人たちの中に、しんがりの中に置かれているのを、彼が見出すなら、彼は私たちを切り離し、滅ぼします。ですから、「常に前方に向かうべきです。そして、前にある諸々のものに急行すべきです[2]」。いや、それどころか、山の頂に昇り、絶えず諸々の手を諸々の祈りの中で天に挙げておくべきです――こうして、遂にアマレクが打ち負かされ、倒れるまで。



[1] 1S.15,11.

[2] Cf.Ph.3,13-14.

 

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