15 しかし彼らは、「諸々の偶像を崇拝し、ペオルのバアルに献身しました[1]」。「ペオルのバアル」は偶像の名前で、その名前は、ミディアン人たちの許で特に女性たちによって拝まれています。したがってイスラエルは、この偶像の諸々の神秘の中で献身しました。ところが、その名前の解釈を私たちがヘブライ語の諸々の名前の中にいっそう注意深く探してみても、私たちは、「ペオルのバアルは破廉恥の形姿である」と書かれていることしか見出しません。(その名前を)解釈した人は[2]、私が思うに聞き手の人たちの聴覚を汚さないようにするために品位を考慮に入れて、破廉恥が何であるかとかどのようなものであるかを言明しようとしませんでした。ですから、諸々の破廉恥の種類はたくさんありますが、数ある破廉恥の中でも或る一つの種類が「ペオルのバアル」と呼ばれています。それゆえ次のことが知られねばなりません:何か破廉恥なことを犯し、破廉恥の何らかの種類の中に逸れる人は皆、ミディアン人たちの悪霊「ペオルのバアル」に献身します。しかしまた、私たちが犯す一つひとつの罪によっても、取り分け何かの突発によってでなく、熱意と作為にとによって私たちが罪を犯すなら、私たちは疑いもなく、私たちが犯す罪を引き起こすことに関心を持つ悪霊に献身します[3]。そしておそらく、私たちが犯す罪と同じ数の悪霊たちに、私たちが献身することもあるでしょう。そして一つひとつの過失の中で、私たちは、人々が言うところのあれこれの偶像の諸々の神秘を受け入れます。



[1] Cf.Nb.25,2-3.

[2] 省略

[3] 省略

 

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