16 そして、おそらくそれで、使徒は「不正の神秘が既に働いている[1]」と言ったのでしょう。ですから、悪意の霊たちは歩き回り、どのようにしてそれぞれの人を欺き、罪の誘惑によって自分たちの諸々の神秘に(それぞれ人を)献身させるかを探求しています[2]。そして彼らは、気づかない人や理解しない人を、たとえば姦淫の罪を通してミディアン人たちの悪霊の許に導き、ペオルのバアルに献身させ、破廉恥に献身させます。同様に他の諸々の罪を通して、私たちが述べたように、人間たちは、他の悪霊たちに献身します。

しかしあなたは、次のように書き記された事柄をもっと注意深く守ってください。こうあります:「あなたは諸々の道の中に立ち、主の永遠の諸々の道が何であり、よき道が何であるかを尋ねなさい。そしてその(道の)中を進みなさい[3]」、そして、あなたは、邪悪さの家の諸々の問に近づいてはならない、と。しかし、邪悪な霊があなたの心の中で語って、あなたを罪の何らかの業に導こうとするのをあなたが気づいたら、あなたは次のように理解してください:すなわちそれは、あなたを何らかの悪霊に献身させるためにあなたを導こうとしており、あながたが悪霊的な諸々の神秘、「不正の諸々の神秘[4]」を受け入れるように導こうとしていると。そして、使徒が次のように書いていることは、そのことだと私は思っています:すなわち、「しかし、あなた方は異教徒たちであったとき、あなた方は導かれるままに偶像たちの姿で進んでいました[5]」とあります。誰によって、どんな者たちによって、あなた方は導かれるのでしょうか。もちろんあなた方は、邪悪な霊たちによって諸々の罪の諸々の業へ導かれます。



[1] 2Th.2,7.

[2] Cf.1P.5,8.

[3] Jr.6,16.

[4] Cf.2Th.2,7.

[5] 1Co.12,2.

 

次へ