民数記第二十一講話

第二に民が数えられたことについて

 

 私たちが読んでいるのは『諸々の数[1]』です。そして、前回の朗読において私たちは、第二の人口調査についてさらに何かを言うことを時間によって妨げられました。しかし、省略され妨げられた諸々の事柄を回復するのが適切でしょう。

さて、神の指令によって、最初に民が数えられました。しかし、最初に登記された彼らは、諸々の過失の固執のゆえに「転落してしまった[2]」ので、滑落した人たちの代わりとして、今度は第二の民が、新たな世代として続き、数に呼ばれます[3]。そして、前者の人たちについて言われなかったことが、後者の人たちについて言われます。実際、諸々の部族と諸々の氏族と諸々の家と諸々の家族ごとに数が集められた後[4]、主はモーセに言っています:「彼らに土地が、諸々の名の数に従って、取り分として配分されねばならない。(人数が)多いときには、より多のものが取り分として与えられねばならない。そして僅かなときには、あなたは僅かな嗣業地を与えなさい[5]」と。もしも以前の人たちについて、「彼らに土地が取り分として与えられねばならない」と言われたとすれば、それはもちろん誤りであったろう。なぜなら彼らは、自分たちの諸々の過失のゆえに「荒れ野の中で転落してしまった[6]」からです。それゆえ、最初の人たちに言われなかったことが、最後の人たち――つまり、約束されたありとあらゆる事柄が成し遂げられた最後の人たち――言われます。



[1] 訳者(朱門)は直訳している。『諸々の数』とは『民数記』である。

[2] Cf.1Co.10,5.

[3] すなわち、「人口調査(〓数)に呼ばれます」が意訳。

[4] 「人数が集計された後」ということ。

[5] Nb.26,53-54.

[6] Cf.1Co.10,5.