民数記第二十二講話

ツェロフハドの娘たちについて、そして、モーセの後継者について。

 

 五人の娘たちがいました。彼女たちの諸々の名前も、()文書の中に含まれています[1]。彼女たちは、イスラエル人のツェロフハドなる人物から生まれました。ツェロフハドは、「荒れ野の中で死にました[2]」が、男の子孫を一人も残しませんでした。そこで、ツェロフハドの娘たちは、モーセの許に押しかけ、父の嗣業地の取り分を要求して言いました:「彼女たちの「父の名前が、彼の民の只中から消えるべきではない――彼に男の息子が生まれていないからという理由で[3]」と。そのためモーセは、その申し入れを神に向けました[4]。しかし、全能の神の慈しみは、少女たちによって提出された申し入れを軽視したり蔑ろにしたりせず、諸々の応えを与えてくださるばかりか、彼女たちの諸々の言葉を是認し受け入れて、それら(の言葉)から、人間たちのために代々に守られるべき永遠の諸権利を定めました。実際、「主はモーセに語って言っています:ツェロフハドの娘たちは、正しく語った。あなたは、彼の父の兄弟たちの只中で、彼女ら委に財産を与えなさい。そしてあなたは、彼女たちの父の取り分を彼女たちに与えなさい。そして、イスラエルの子らに、あなたは語って言いなさい:もしも人間が死に、彼に息子がいなかったなら、あなた方は、彼の嗣業地を彼の娘に与えなさい。しかし、もしも彼に娘がいなかったなら、あなた方は嗣業地を彼の兄弟に与えなさい。しかし、もしも彼に兄弟たちがいなかったなら、あなた方は、嗣業地を彼の父の兄弟に与えなさい。しかし、もしも彼の父の兄弟たちがいなかったなら、あなた方は、彼の部族に属し彼にいっそう近い近親者に嗣業地を与えなさい。そしてその者が、彼の嗣業地を受け取らなければならない。このことが、イスラエルの子らにとって、主がモーセに下した判決に基づく正義にならなければならない[5]」と。



[1] Cf.Nb.27,1.

[2] Cf.Nb.27,3.

[3] Nb.27,4.

[4] Nb.27,5.

[5] Nb27,6-11.