12 ところで、私たちの諸々のものから何かを神に捧げるときの誓いがあります。ですから神は、まず私たちから何かを受け取ってから、私たちに(諸々の賜物を)惜しみなく与えてくださいます――彼がご自分の諸々の賜物と数々のご厚意を、相応しくない人たちでなく、相応しい人たちに惜しみなく与えていると見られるようなし方で。しかし、神が私たちから受け取ろうとお望みになっているものは何でしょうか[1]。あなたは、()文書の文章をお聞きください:「そして今、イスラエルよ、あなたの神なる主はあなたから何を求めているか。それは、あなたがあなたの神なる主を畏れ、そして彼のすべての道の中を歩み、そしてあなたの全き心から、そしてあなたのまったく魂から、あなたの諸々の力のすべてから、彼を愛すること以外の何なのか」[2]。ですから、神が私たちから求めているのは、それらの事柄です。もしも私たちがまずそれらの事柄を捧げなければ、私たちは彼から何も受け取らないでしょう。別の箇所の中でも私たちは次のことを読みます:「あなた方は、栄光を神に与えなさい[3]」。そして、「あなた方は偉大さを神に与えなさい[4]」と。もしもあなた方が栄光を与えたらな、あなた方は栄光を受け取るでしょう。実際そのような意味で、神ご自身は言っています:「私に栄光を帰す者たちに、私は栄光を与えるだろう[5]」と。



[1] Cf.Hom.Nb.XII,3,1:「神が人間に与えたものは何でしょうか。ご自身の認識です。人間が神に捧げるものは何でしょうか。みずからの信仰と愛です。神はそれを人間から求めています」。

[2] Dt.10,12. 訳者(朱門)は直訳している。

[3] Ps.67,35.

[4] Dt.32,3.

[5] 1S.2,30.

 

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