10 実のところ、大きな虚しさと空虚さがこの世界の中にあります。いやむしろ、「諸々の空虚なものの空虚」があります。「すべてのものが空虚です[1]」。神の兵士は、それを乗り越え、打ち勝たねばなりません。ところで空虚に打ち勝つ人は、無益なことを何一つ行わず、事柄に関係のないことを虚しく行わず、主の次の戒めに留意する人です。(主は)その戒めの中で次のように要っています:「人間たちは、無益な言葉に関しても、裁きの日に釈明しなければならない[2]」と。しかし、この生活の中では、人間たちが語ることや行うことのほとんどすべてが無駄であり、すべてが空虚です。実際、神のためあるいは神の命令のための何かを含んでいなければ、一切の行いと一切の言葉は空虚であると言われます。



[1] Cf.Qo.1,2.

[2] Mt.12,36.