10 実際、身体を脱いだ魂が、いやむしろ再び自分の身体を着た魂が居住する予定の諸々の住居に関して、主が福音の中で次のように言って宣言しています:「父の許には多くの住居がある。さもなければ私はあなた方に言うだろう:私は行き、そして、あなた方のために住居を準備する[1]」。ですから、父へと導く諸々の住居はたくさんあります。それらの一つひとつの住居の中で滞在が、原因の何を、魂の利益の何を受け取るのか、また、教育や照明の何を受け取るのかは、「将来の代の父[2]」だけが知っています。彼は、自分自身について、「私は入り口である[3]」、「私を通してでなければ、誰も父の許に行かない[4]」と。おそらくそれらの人一つの住居の中で、彼は、ここの魂の入り口になるでしょう。その結果、魂は、彼を通して中に入り、そして、彼を通して外に出て、諸々の牧草を見出し[5]、そして再び別の住居の中に入り、そこからまた別の住居の中に入り、ついには父ご自身の許に到達するでしょう。しかし私たちは、私たちの前置きをほとんど忘れて、あなた方の聞き耳をいきなり高度で崇高な諸々の事柄に引き上げてしまいました。むしろ私たちは、私たちの間で、また、私たちの内で行なわれている諸々の事柄に戻りましょう。



[1] Cf.Jn.14,2.

[2] Cf.Is.9,5.

[3] Jn.10,9.

[4] Jn.16,5.

[5] Cf.Jn.10,9.