以上のことが、律法の文字が私たちに提示しているのものです。その提示の目的は、私たちがそれらの事柄から数々の神秘の種を集め、諸々の低い事柄から諸々の卓越した事柄へ、諸々の地上的な事柄から諸々の天的な事柄へと、いわばある種の階段を踏んで昇っていくためです。ですから、この話をお聞きになっているあなたも、今、もしもできるなら、諸々の地上的な理解から、精神の眼差しと心の明敏さとによって昇ってください。しばらくの間、諸々の地上的な事柄を忘れ、精神の歩みによって諸々の雲を越え、天それ自体をも越えて進んでください。その天をも越えたところで、神の幕屋を探求してください。「イエスは、私たちのために、先駆者として」その天幕に「お入りになり[1]」、「いまや神のみ前に立ち[2]」、私たちのために「執り成しておられます[3]」。その天を越えたところで、四方に分かれた宿営地の配置と順序を探求してください。イスラエルの諸々の軍勢と哨戒に当たる聖人たちを見てください。その天を越えたところで、私たちがいま探求している諸々の事柄、すなわち初子たちの諸々の神秘を、あなたは吟味してください。



[1] He.6,20.

[2] He.9,24..

[3] Cf.He.7,25.

 

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