イスラエルの子らに「二百七十三」(という数)が付け加えられていることも、私には無意味なことに思われません。しかし、モーセによって諸々の文字に置かれたあの「覆い」を、主が私たちのために開き、取り除いて下されなければ[1]、その解明の道は容易ではないと思っています。さて、肉における人類の誕生の営みは[2]、それらの事柄に精通した人たちが主張するように、九ヶ月にわたって母胎の中で続けられる。しかし、さらに十ヶ月目に入り三日経過しなければ、出産には至らないと言われています。このようなわけで、この数字、すなわち「二百七十三」は、九ヶ月に十ヶ月目の三日を加算した日を示しているとともに、「二百七十三」日は、この世への誕生を人類に可能にする[3]日数になっていることが分かります。したがって、二十二という数字の内に、すべての被造物の総体が諸々の神秘的な理拠によって集められ、イスラエルの初子たちのに見出される余分な数の内に、人間の誕生の神秘が示されています。



[1] Cf.2Co.3,16.

[2] humani generis in carne generatio:この表現は、霊魂の先在を連想させる。

[3]isti (dies) quibus humano generi in hunc mundum praebetur ingressus:直訳すると、「それらの日々によって、この世への進入が人類に与えられる」となろう。これは、明らかに、霊魂の先在を暗示する。

 

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