19 では、霊的な理解に従えば、その土地はどのようなものでしょうか。聖なる土地であり、善い土地ではありますが、不敬虔な者たちが住んでいる土地とはどのようなものでしょうか。聖なる人たちの土地に住んでいるそれらの敵たちとは誰でしょうか。どのようすれば彼らは追い出され、彼らに代わって(イスラエルの民が)その場所に入るのでしょうか。私たちは、諸々の福音に戻ることにしましょう。使徒に戻ることにしましょう。諸々の福音は、聖なる人たちに、諸々の天の諸国を約束しています。使徒は、「私たちの暮らしは、諸々の天の中にある[1]」と言っています。したがって、「諸々の天の中に」、聖なる人たちに約束された嗣業の土地があります。しかし、どうした私たちは、あなたに約束されたそれらの諸々の場所に、あなたが戦ってそこから追い出さなければならない住人が、いまや一人もいないと考えるのでしょうか。どうして主は、次のように言うのでしょうか。「洗礼者ヨハネの日々に、諸々の天の国は力を受けている。そして力を振るう者たちが、御国を奪い取った[2]」。実際、力が及ぼされる者たちがいないとすれば、追い出され放逐されるべき者たちがいないとすれば、「諸々の天の国は力によって奪い取られるべきである[3]」とは決して言われなかったでしょう。私たちが戦い争う相手の者たちがいないとすれば、使徒は次のように決して言わないでしょう。「肉と血に対する戦いが私たちにあるのではなく、諸々の支配と諸々の力に対する戦い、諸々の闇に満ちたこの世の支配者たちに対する戦い、諸々の天の中にいる邪悪の霊たちに対する戦いがあります[4]」。預言者を通して言われた次の神の言葉も、それらの者たちに関して理解されるべきであると思われます。こう言っています。「私の剣は、天の中で(血に)酔っている[5]」と。ですから、「諸々の天の中に」あると言われている「諸々の霊的な邪悪」こそ、真のカナン人たちであり、あなたによって打ち負かされ、天の諸々の場所から追い出されるのは必然です。こうしてあなたは、彼らに代わってあなたがそこに住むでしょう。



[1] Ph.3,20.

[2] Mt.11,12.

[3] Cf.Mt.11,12.

[4] Ep.6,12.

[5] Is.34,5.

 

次へ