民数記第九講話

民の反抗

コラの諸々の香炉と、モーセに対する民の反抗について。諸々の杖について――そのれらの杖の中で、アロンの杖が芽を出した。

 神の許では、何ごとも理解されるように与えられているのであるから、無益なものは何もなく、無駄なものは何もない。人々によって遠ざけられ捨てられるべき諸々の事柄が、必要な業の何がしかを含んでいることが見出されます[1]。目下の朗読は、私たちにそのような見識を暗示しています。目下の朗読は、コラや彼とともに罪を犯した人たちの諸々の香炉に言及し、次のように言っています。すなわち神は、それら(の香炉)を廃棄せず、それらから「柔軟な諸々の板」を作り、それらによって「祭壇を取り囲む」ように命令したと[2]。そこで()文書は次のように述べています。神の指図によって、「祭司アロンの子エレアザルは、焼き尽くされた人たちが奉げた諸々の青銅の香炉を受け取り、それらから諸々の輪を作り、祭壇に置いた――それは、アロンの種に由来しない異国人は誰でも、神の前に近づいて香を置いてはならないことをイスラエルの子らに思い起こさせ、、コラや彼の一味にならないようにするためである――。主がモーセの手において語られたとおりに[3]」。



[1] キリスト教の神の不完全さや劣等さを攻撃する人たちへのオリゲネスの常套的な反論である。

[2] Nb17,3.

[3] Nb17,4.5.