いかにしてヘブライ人たちはパスカを祝うか

 

 (神は彼らに)「この月の十日に小羊を屠れ」とは言われていない。「小羊を取れ」と言われている。また彼らはその小羊を十四日に屠るように命じられている[1]。そしてヘブライ人たちは次のようにしてパスカを祝っているのである。すなわち、十日から家とごに、家族ごとに小羊を取らねばならない。そして彼らは(それを)更に十一日にも、十二日にも、十三日にも養っておき、次のように言って(それを)奉納しなければならない。すなわち、「この小羊は斯く斯く然々の人のために屠られます」と[2]。ただし五十人の名前を越えてはならない。そして十四日の夕暮の間にそれは屠られる。こうして小羊の取得から/

 

17 [II,1]

[その奉献まで五日あることになる][そしてこれが感覚的なパスカに関して行われたことである。・・・ [大半が毀損] ・・・ 真の小羊はキリストであるということ。なぜなら御父に次ぐ方であるキリストは、その第二の位格において――私は数字の十を言っているのだが[3]、その十の数を通して――取られるからである。



[1] Cf.Ex.12,6.

[2] このくだりは、『出エジプト記』や旧約聖書のその他の文書には見られない。しかしこの慣習は、オリゲネスの時代に成文化されたミドラシュの論考ペサヒム5.3; 6.6; 8.1; 8.3に記載されている。Cf.H.Danby, The Mishnah (Oxford UP 1933) 141-47. おそらく彼はこの慣習を、彼が時々言及する「ヘブライ人の教師」から学んだか、あるいはそれが行われているのを直接目撃したのであろう。

[3] オリゲネスはここで、ピロンの完全数の解釈に従っている。ピロンはOn the Preliminary Studies 89-96で、十は完全数で、神を表すと述べている。