家ごとの小羊

 

 また実際、(救い主は)弟子たちに向かって群衆を草地の上に座らせるように言い付けて[1]、次のようにお命じになった。すなわち、お前たちは、「会食者を組に分けて[2]」「座らせなさい[3]」と。このようして(救い主は)彼らをもてなしたのである。なぜなら、(救い主は)ご自分のパンを食べる人たちの集団を等しく集めることによってではなく、同類の者たちを同類の者たちと共に集めることによって、彼らを持て成されるからである[4]。更に続いて付け加えられている言葉も[5]、その意味するところは、(いま)説明されたことと似ており同じである。/

 

22 [II,6]

 [『しかしもしも家にいる人が少な過ぎて、小羊(一頭)のために充分でないなら、近所の人や自分の隣人を自分と一緒に連れて来なさい。魂の数に応じて各々、各人に十分なだけの分量を小羊(一頭)について計算しなさい。お前たちの小羊は完全な一歳の雄でなければならない。お前たちは羊と山羊の内から、(それを)取らなければならない[6]] ・・・ [原文約十一行欠落] ・・・



[1] Lc.9,13-14;Mc.6,39;Mt.14,19.

[2] Mc.6,39.

[3] Jn.6,10.

[4] オリゲネスはこのように、「家ごとの子羊」規定をパンの増加の記事に結び付けて、人々は完成の度合いに応じてみ言葉に与ることに言及していると考えられる。

[5] Cf.Ex.12,4.

[6] Ex.12,4-5.