19 我々の考えでは、或る邪悪な悪霊たちが――こう言ってよければ、タイタンたちであれ巨人たちであれ――、真の意味で神的なものに不敬な態度をとり、天から落ち、地上にある身体の内でも鈍重で不純な諸々の身体の周りをうろついている。彼らは、地に属する諸々の身体を脱しているため、将来の諸々の事柄を識別する力のごときものを持っており、そのような(識別の)業にかかずらわって、人類を真の神から逸らせようとする。彼らは、動物たちの中でもより獰猛で野蛮で狡猾な動物たちの中に忍び込み、彼らの望むときに、彼らの望む事柄にそれらの動物を向かわせる。彼らは、あれこれの動物たちを登場させて、空を飛ばせたり、あれこれの動きに向かわせる。その目的は、人間たちが、非理性的な動物たちの内にある占いの力に囚われて、万物を統括する神の探求や、純粋な信心の吟味をしなくなり、その思考によって地に落ち、占い鳥たちや蛇たち、さらには狐たちや狼たち(の水準)にまで落ちるようにするためである。実際、諸々のより明瞭な予知は、これらの動物たちを通して生じることが、それらの事柄に精通している人たちによって観察されている。というのは、悪意の類似性によって――悪意によってではなく、動物たちの中でもそれらの動物たちの中にあるかのごとくの悪意によって[1]――、それらの個々の動物たちにはできることを、悪霊たちは、動物たちの中でもより穏やかな動物たちの内で行うことができないからである[2]



[1] 省略

[2] 本節は、『ケルソスへの反論』第4巻第92節全体の抜粋である。