11 プルイユの修道院

 

神の僕ディエゴ司教の上に注がれた恩寵の光は非常に強かったので、彼はみなの愛情を惹きつけた。徳の力によって敵対する者さえもとりこにしたので、だれも彼を愛さずにはいられなかった。そのことから異端者たちは、この人物が永遠の生命を保証されており、真実の信仰の教理を教えるためにこの地に追わされたのだろうと信じていた。

そこには、貧困ゆえに余儀なく娘を異端者に手渡し、養い教育してらっている貴族が何人かいた。養い教育してもらうどころかそれ以上で、毒の盛られた誤りによって名誉を辱められる結果になっていた。しかし神の僕たる司教ディエゴは、彼女らの傷つけられた名誉にあわれみを感じ、プルイユとよばれる地に娘たらの宿泊所として修道院を建設した。そこでは今日に至るまで、キリストの侍女たらが快い奉仕を神に捧げている。