24 ドミニコの得たもの――兄弟レジナルド

 

レジナルド帥はこれを聞いて、兄弟ドミニコに紹介してもらった。そして彼に心の秘密を打ら明けた。彼の聖性と、やさしい愛情に満ちた頼もしい勧告に惹きつけられ、入会することに決めた。しかし間もなく彼の聖なる計画に試練が課せられた。レジナルド帥は重い病に倒れ悪化する一方で、死に瀕していた。すでに死が迫り、医者たちは健康を回復する手段はないとあきらめていた。しかしドミニコは、すでに受胎された子が時ならぬ難を被るのをそのままに放置してはおかなかった。いまだ誕生していない息子、希望して授けられた息子によって与えられるに違いない慰めが途中で不意に無にならぬよう懇願し、休むことなく神の慈悲のもとに心から出る哀惜の念をささやき、祈りに身を捧げた。彼自身が後になって修道士たちに話したとき明らかにしたのであるが、少なくとも短期間彼を手渡してもらえるように切願したのである。