37 神の家で、天使の歌声の中に

 

彼の死と同じ日同じ時刻、ブレスシアの修道院長であり後に同市の司教となった兄弟グアーラは、その修道院の鐘楼の脇て横になっているとき、ふと浅い夢を見た。天に日がひとつ開いて、そこから非常に美しい梯子がふたつ下がっているのを心の目で見た。ひとつの梯子はイエス・キリストが、もうひとつは聖母が支えていた。そして、光に輝く諸人使がそこを昇り降りしていた。下の方には、ふたつの梯子の間にひとつの席があり、それに坐っている人がいた。その人は、この修道会で死亡した修道上を葬る時に使う頭巾で顔をおおった修道士のようであった。キリストとその御母は自分たちの方へと梯子を引き寄せ、座席とそこに坐っている人物を、天使の歌声の中を天に達するまで引き上げた。梯子とそこに坐っていた人が天に導き入れられると、天の口は閉じ夢は消えた。

修道士は夢から覚め、少し前にかかった病のためにまだ弱ってはいたが、直ちにポローニャに向かって旅立った。そこで起こったことを一心に調査し、あの天のもののような夢を見た時刻と、父ドミニコの霊が肉体を離れ、現世の悲惨な住み家を至高至福の家と取り換えた時が同日同時刻であるという結論を得た。光栄の王、徳の主であるわがイエス・キリストを正面に見ながら神の家にいるという幸せを享受した。世々に到るまで御子が父と聖霊とともにあり、神が世を治められんことを。アーメン。