49 もとに戻った指と回復した傷

 

ボローニャの山向こうに住んでいるジョバンナと称ばれる婦人がいた。一本の指が利かなくなってかし二十年もたち、治らぬものと放置しておいたので乾きちちんでしまっていた。しかし聖ドミニコに一度祈りを捧げただけで回復しだ。

ラファエリーリョという男が、傷が激しく痛むのでドミニコに祈ると、突然健康体となった。

ドミニコの遺体を移す前のことであるが、ペドゥリートと称ばれる男の子がヘルニアを起こし、二年間も治らなかった。医者の治療が成功しなかったので、母親がドミニコに祈りを捧げた。すると思いがけなく長い間待っていた健康を回復した。