「奇跡は・・・起こらないから"奇跡“って言うんですよ・・・。」

                      ある少女がそう語る。
   
             少年を取り巻く少女達の望みは当り前の日常。
             我々が退屈極まりないと嘆いているその日常。

                       当り前の毎日・・・。

                    只それだけが望みだった。
          
                    少女は望まぬ力を否定した。
              
                    少女は己の過去を悔いていた。

                    少女は人のぬくもりを求めた。
              
                    少女は現実での再会を望んだ。

                    少女は親友との再会を望んだ。

                    少女は母の回復を望んだ。
 
                    少女は生きる事を切望した。

                その姉も少女の生を心の底から切望した。

             少年はその全てを望んだ。何よりも自分の事よりも・・・


 本人さえ諦めかけていた奇跡を、ただ一途に信じ続け、信じる事が唯一の道と彼は信じ、
 思い続けた、挫けそうになるアタシ達を支え、ひたすらに信じ続けた。そして・・・



                 ・・・そして、
奇跡は起きた。


 雪が溶け、春が訪れ満開の桜がアタシたちの前途を祝してくれる。
 穏やかな日常がゆっくり、とてもゆっくりと流れ始めた。
 何もかもが幸せだった。只一つの不満はあの人の笑顔がアタシだけではなく、みんなに
 対して向けられている事くらい、でもそれはみんなも思っている不満。
 これって嫉妬?・・・・何故アタシが?
 一度広がり始めたアタシの中の何か・・・。
 不安で、苦しくて、切なくて、ともすれば叫び出したい位・・・でも、
 でも、とても愛しくて、暖かくて、それだけで安らげる。
 そんな気持ちと向き合いながら過ごす日常、全てが輝いていた学生生活。充たされなが
 らも退屈な日々、でもそれがとても楽しい・・・何時までも続くと思っていた。
 そう、あの日までは・・・・


 アタシたちが揃って三年生に進級したある日、そう・・・遅咲きの桜も散り始め、枝に
 は所々緑が混じっていた頃、何の変哲も無い春のとある日、相沢君は失踪した。
 それまでそんな素振りは何処にも見えず、退屈な春の日々を謳歌していたのに・・・。
 他の誰よりも、当の本人たち以上に私たちの身に起きた奇跡を、喜んでいたあの人が失
 踪をするなんて考えられない・・・いいえ、考えたくは無かった。
 けれど、相沢君はこの街から姿を消した、何の痕跡も残さず完全に・・・。
 アタシ達は彼の姿を捜し求めた、何の手がかりも見つけられ無い毎日。
 それでもアタシ達は探し続けた。
 けれど、求めるその姿は何処にも無かった・・・。
 彼はアタシ達の元から・・・消えてしまった。

 それでも諦めきれず、彼の姿を求めて街中を彷徨たのは何度あったのだろうか?
 少しでも多くの場所に行ける様にと、原付に乗る様にもなった。
 アタシは擦違った人が彼ではないかと、振り返るのが日課となってしまった。
 眠れぬ夜、涙で枕を濡らした事も幾度もあった。
 
 それでも人は生きて行かなければならない・・・。
 あの騒がしい相沢君がいなくても太陽は昇るし、お腹は空く。
 どんなに悲しくても栞の食べるアイスの量は変わらないし、名雪の朝も遅い。
 いなくなって初めて気付かされた・・・・アタシはあの人が好きだという事を。
 今ならばハッキリと言える、『愛している』と・・・。
 けれど、伝えたいあの人はいない。
 アタシの思いは行き場を失ってしまった。

 気が付けば季節は変わり夏が過ぎ、短い秋が訪れ、また雪の季節がやってきた。

               そう・・・・あの人のいない冬。





           聖戦士ダンバイン、カノン、クロスオーバー作品。

                    『あの人は聖戦士?』

                     作・構成 續木明一

                第一話『・・・そして日常へ』

                    校正・MIZUCA
                データ編集・てつぢんEX+





 アタシは机の上にシャープペンを放り投げ、軽く背伸びをし、軽く左右に振るとコキコ
 キと背中が鳴るチラリと時計を見ると、もう少しで日付が変わろうとしていた。
 気分転換の為、ベランダに通じる窓の前に立つとカーテンの開け放たれた窓越しに外の
 街を眺める。周りの家々からは暖かな灯りは消え、僅かに照らす街灯だけが灯されてい
 た。

  どんなに悲しくてもアタシ達は受験生・・・。目の前に迫る受験と言うハードルを越え
 る為、こうして毎日遅くまで足掻いている。いえ、違うわ!本当は彼のいない悲しみか
 ら逃れようと勉強に逃げているだけなんだわ・・・。
「相沢君・・・どこにいるの?」
 つい、この言葉が口から出てしまう。
 けれどこの言葉は私たちの間では普段は出す事が許されない言葉・・・。
 月一回水瀬家で開かれる宴の席上でしか相沢君の話題はしない・・・。
 そう。これは、アタシたちが決めたルール、前を向いて生きてゆく為、そして悲しみに
 囚われないようにする為・・・アタシたちみんなで決めた事。
 そのお陰もあって、アタシたちはこうして日々を生きてゆく事が出来る。

 窓の外を街灯に照らされ白い物がキラキラと舞い始める。
「あら、雪・・・もうこんな季節なのね。」
 雪を見るのはとても辛い、どうしても相沢君を思い出してしまうから・・・。
 じわりと涙が浮かんでくるのが分る、初雪だもの・・・今くらい泣いてもいいわよね?
 それでも涙がこぼれないよう空を見上げる・・・・
 滲んでゆく視界・・・・そこに突然まぶしい光が上空に現れた。
「雷光?」
 いえ、違う!こんな光見たこと無いわ・・・・。
 暗雲を切り裂き差し込むその光はやがて渦を巻き、その中心から光の道が開かれる。
「なに・・これ?」
 声を失ってしまった、目の前で繰り広げられるとても神秘的な光景。
 その光の道から何か黒い影が降りてくる、酷くゆっくりした速度で・・・。
 しかも、それはここから凄く近い所に落ちようとしている。
「何だか名雪の家の方ね・・・。」
 胸騒ぎがする、いても立ってもいられなくなったアタシは、かけてあった上着を掴み取
 ると大急ぎで階段を駆け下りた。既に日付が変わろうとするこの時間、いいえ、もう変
 わってしまったわね、両親も栞もそろそろ就寝のため床に付いているだろう。
「どうしたの香里、ご近所に迷惑ですよ?」
 母の叱責が何と無く聞こえたがそんな事に構って入られない!
 アタシの中の胸騒ぎはある何かの確信に変わろうとしていた。
「ちょっと名雪の所に行って来る!」
 それだけ言うと玄関から飛び出す、母が何か言っている様だけれど、そんな事にかまっ
 ている暇は無いわ!
 上着のポケットからキーを取り出しボタンを押す、玄関口に止めてあるスクーターがウ
 ィンカーを光らせ返事をすると同時にカチリと音がしメットインのロックが外れる。
 掴むようにヘルメットを取り出し被る、キーを差込みセル・スタート。一発でエンジン
 がかかり白煙を吐き出す。体重移動でスタンドを外すとそのままの勢いで一路水瀬家へ
 と急いだ。跡には吐き出された白い煙とやけに甘い匂いだけが残されていた。

 降り始めた雪が少し気になったけれど、これ位では小降りの雨とたいして変わらないわ
 ね。コート材を塗っているのでバイザーに付いた雪も直ぐに吹き飛んで行く、必要以上
 に車体を傾けていつもより速い速度で角を曲がると後輪がやや流される。後になって気
 が付いた事なんだけれど、随分無謀な運転だったわね。対向車も無く、深夜のお陰で歩
 行者もいなかったからこうして無事でいられるけれど、一歩間違えば大きな事故を起こ
 していたかもしれない・・・そう、相沢君に会えなくなっていたかも知れないのね、反
 省。やっとの思い出辿り着いた水瀬家は異様な事になっていた。

 アタシの思ったとおりだったわ、天から伸びる光は水瀬家へと通じていた。不思議な色
 の光、辺りからは音が消えていた。
 そしてその光に沿ってゆっくりと降ってきた黒い影・・・
 やがてそれは二階の一部とリビングを巻き込みそこに鎮座した、不思議な事に家の破壊
 音はまったくしなかった。
「ちょっと待って、あの二階・・・あそこって相沢君の部屋じゃない!」
 あの部屋は彼の・・・相沢君の帰るべき部屋、そこが無残にも壊されてしまった。その
 光景を目の当たりにしてアタシは力を失い膝から崩れてしまった。
 どれ位の間そうしていたのか?やがて光の勢いは徐々に弱まり天へと光は帰る。
 アタシはそれを眺めている事しか出来ず、手にしたヘルメットを落した事にも気付かな
 かった。アタシはハッと気付き、ヨロヨロと立ち上がると崩れたリビングに向かい歩き
 出す、これだけの騒ぎのはずなのに、秋子さんも名雪も真琴もあゆちゃんもまだ姿を見
 せてはいない、薄っすらと積もり始めた雪の上に頼りない足跡が刻まれていった。

 近づき見上げるとアタシの目の前に横たわるこの物体は酷く不気味な物に見えた・・・。
 仄かな街灯に照らし出された7、8メートルはあろうかと言う巨大な人の形を模した異
 形の巨人・・・何処と無く昆虫に見えなくも無いわね、差し詰めカブトムシって所だわ。
「まさか、う・・宇宙人・・じゃないわよね・・・。」
 自分の怖い考えに、思わず腰が引けてしまう。
「香里さんがその様な非現実的な事を仰るとは思いませんでした。」
 背後から突然名前を呼ばれ、心臓が飛び出しそうになる。
「キャッ!・・・って、天野・・さん?」
 振り返るとそこには一つ年下で、最愛の妹と同じクラスでもある天野美汐がアタシと同
 じにヘルメットを手に立っていた。そう言えばアタシのヘルメット何処かしら?
「はい、その天野です。他に何か呼び方でも?」
 ほんの少し首をかしげる、アタシが男だったら間違いなく当てられてしまいそうな仕草。
「・・・み、みっしぃ?」
「その様な呼ばれ方は不本意です。」
「みしおん?」
「そんな酷な呼び名は無いでしょう・・・。」
 先程までの落ち着いた物腰から一転、プイッとそっぽを向いてしまったわ、可愛いわね。
「あらあら、天野さんに香里さん。一体どうしたんですかこんな時間に?」
 半壊したリビングからこの家の主、秋子さんが姿を現した。淡い色合いのパジャマに紫
 色のカーディガンを羽織っている。寝巻き姿にスッピンであってもとても若く見えるわ、
 本当に高校生の娘がいるのと、問質したくなるわ!
「今晩は秋子さん、夜分遅くにお騒がせして申し訳ありません。」
 冷静に自分を取り戻し軽く会釈をする天野さん、流石ね。
「今晩は・・・って、悠長に挨拶なんかしてる場合じゃないでしょ!」
 思わず声を張り上げる。
「あうぅ〜うるさいよ香里〜・・・・。」
「うぐぅ、香里さんが怖いよう・・・。」
 続々とこの家の住人が起きだしてくる、ねこを頭に乗せているのが真琴、赤いカチュー
 シャをしているのがあゆちゃん。もう一人の住人は姿を見せない。これだけの騒ぎでも
 起きだしてこないなんて名雪、あんたは大物よ!あくまでマイ・ペースの水瀬家の住民
 に対し、アタシはピシィ!と横たわる巨人を指差す。
「アタシの事よりも“これ”の方がもっと重大よ!」
アタシの指先に釣られその方向を向く。
「あらあら?」
「あうぅ〜?」
「うぐぅ?」
 何なのここの人達は・・・。アタシは少し軽い眩暈を覚えた。
 頭を抱えた瞬間、それは微かに動いた。
 動いた?・・・き、気のせいよね?
「動きました。」
 天野さんがアタシの心の動揺を誘う様に指摘する。
「き、気の所為なんじゃない?」
「いえ、確かに動きました。あの胸の辺りが・・・」
 指を指された所を見ると、そのタイミングを待っていたかのように“それ“は動き出す。
「あの様に・・・。」
 解説なんて要らないわよ!
「あ、危ないわみんな下がって!」
 アタシはみんなを下がらせる、正直言って下がったからどうなる物ではない事は分って
 はいるけれど、何もしないよりマシって物ね。なんて落ち着いている場合じゃないわ!
「走って!」
 動きの遅いみんなを急かす、振り返ると“それ”の胸に当る部分が大きく開かれ、中か
 ら何かが出て来ようとしているのが分った。
「う、うぐぅ・・・な、何かでてくるよ〜!」
「あわわ・・秋子さ〜ん・・・。」
「大丈夫ですよあゆちゃん、真琴、ここにいる強いお姉ちゃんが守ってくれますからね。」
 ・・・って、アタシ?
「私ではない事は確実です。何故ならあゆさんは私より年上ですし、真琴とは同じ
年ですから・・・。」
「冷静に、ツッコまないでよ!・・・アタシ声に出してた?」
「はい先ほどからずっと、まるで在りし日の相沢さんを見ているようでした。」
 なんて事かしら・・・ハンマーで殴られた様なショックだわ。
「香里さんはハンマーで殴られた事が御有りですか?」
「無いわよ!」
「あうっ、ガンダムハンマー?」
 死ぬわ、そんな目にあったら!
「そうだな、どちらかと言うと香里は殴る方だからな。」
「何ですって!」
 条件反射でポケットに入れている護身用のメリケンサックを取り出し装着、
              【攻撃力が25上がった!】
 すかさず声のする方を見る。と、そこには・・・・
「よう、久しぶりだな香里。相変わらず豪快だな。天野、少し背が伸びたか?」
 “それ”から這い出てきた相沢君は巨人の上から飛び降り、アタシ達の所へ遣ってくる。
「ご無沙汰してます秋子さん。」
 一歩、また一歩、人影が近付いてくる。
「あゆあゆ、マコピー元気にしてたか?おっ、ぴろも元気そうだな。」
 奇妙な形のヘルメットを外したその顔は、暗くて見えない。けれどその声は・・・。
「うなぁ〜。」
 この場にいる全員が言葉を失っていた・・・ねこ以外。
 だってそうでしょう?あれほど探し続けて見つからなかった彼が、こんな・・・突然ア
 タシたちの前に現われて、やがて目の前に・・・触れられるほど近くに彼がやってきた・・・。
「あ、相沢君?」
 ゴトリと手に装着していたメリケンサックが音を立てて地面に落ちる。
「ほ、本当に相沢・・君?」
 これは夢?それとも幻?近付こうと足を踏み出そうとするが、体が言う事を利かない。
「おう、正真正銘の相沢祐一だ何なら証拠に脱いで見せようか?」
 そう言ってベルトに手を掛ける。
「やめんか〜!」
 残像を残すほどの速さで獲物を拾い上げ、鳳凰拳の使い手の様な速さで間合いを詰める。
 瞬間、メリケンサックをしたその拳で相沢君のがら空きのボディを打ち抜く。
 音速を超えた捻りの効いたフックが、鮮やかに決まる!
「はうっ!ブーメラン・スクウェア!」
 真琴ちゃんがアタシのワザ名を叫ぶ。
 アタシの必殺ブローが数ヶ月ぶりに決まる!使う機会が無かった所為で、ゲージだけは
 溜まりまくっていたお陰でMAX版となっていた。
「オイオイ、再開の挨拶がこれかよ、鎧を着込んでなかったら即死だぞ・・・。」
 彼は倒れなかった。回らなかった。飛んで行かなかった。まともに入った筈なのに・・・
 腕に軽い痺れが走る、その痛みが、彼がここに存在する事をアタシに教えてくれた。
 僅かな沈黙、視線を上げるとそこには相沢君の顔・・・でも、涙で良く見えなかった。
「今まで・・・今まで何処に行ってたのよ!」
 もう我慢ができなかった。アタシはそのまま彼の胸に飛び込んだ。
 今まで何度も夢に見たあの人の胸の中へ・・・。
 幻では無い実体がそこにはあった。硬い不思議な感触のする鎧を身に着けたあの人を抱
 きしめる、こたえる様にそっとアタシの背中に回されるあの人の腕。
「相沢君・・・。」

どれくらいそうしていたのかしら?突然背後から恨めしげな名雪の声がした。
「ずるいよ香里・・・。」
 夢の様なひと時を遮られ、アタシはチョッと不満。
 そ〜と振り返ってみると名雪を始め、たくさんの眼差しがジト目でアタシを睨んでいる。
 名雪ったらいつの間に起きたのかしら?
 ・・・何か、マズイわねこの空気、みんなから発せられているオーラに殺気すら感じら
 れる。このままじゃ殺られる?
 みんなの迫力に気圧され、相沢君を抱きしめる腕に力が入る。
「すまなかったな、香里、それにみんな。」
 その時、相沢君があたしの頬を撫でながら声を発した。
 優しく撫でられて、アタシは今までの思いと感情が一気に湧きあがり、既に何がなんだ
 か解からないほどに舞い上がってしまった。気が遠くなる・・・。
 駄目・・・世界が暗転する。

「・・・あれ?ここアタシの部屋じゃない。」
 視界に広がる天井はいつもの見慣れた部屋の物ではなく、違う物。
「気が付いた香里?」
 アタシの顔を覗き込んでくる名雪、先程までの殺気は微塵も感じられず、いつもの親友
 である名雪ね。
 そう、ここは水瀬家だわ・・・見覚えのある風景がそこにあった。
「あれ、アタシ・・・。」
 ・・・・。
「香里ってば、気絶してたんだよ。ホント、見ているこっちがビックリしたよ。」
 そうだわ、アタシ相沢君の腕に抱かれて、それで舞い上がって・・・・って、恥ずかし
 い。嫌だわアタシったら、幾らなんでも恥ずかしすぎるわ!よりによって相沢君の腕の
 中で失神するなんて・・・って、相沢君!
「名雪、相沢君は!!!」
 ガバッと起き上がると同時に名雪に詰め寄る。
「く、くるじぃよぅ〜香里ぃぃぃぃ・・」
 肩を掴んだつもりが、見事に名雪の首を絞めていた。・・・あら?
「ご、ゴメンナサイ!」
 慌ててその戒めを解くが、当の名雪は既に半分白目・・・口から魂が抜け始めていた。
「お姉ちゃん気がつきましたか?」
 声のする方を見るとそこにアタシの妹、栞の姿があった。
「えっ?栞がなんでここにいるの。」
「それはですね、秋子さんから電話を貰ったので、急いで駆け付けたんです。」
 エッヘン、と胸を張るがそこには平たい胸しか見えない。不憫な妹・・・。
「そんな事言うお姉ちゃんなんてキライです!」
「わはは、その胸は栞のチャームポイントだからな。」
 何時の間にか栞の後ろにやって来た相沢君が、栞の頭を撫でながらサラリとひどい事を
 言う。だが、相沢君に撫でてもらっている栞は怒っているにも拘らず次第に表情がニヤ
 けて来る。
「そんなこと言われてもちっとも嬉しくないです〜っ!」
 栞、それじゃぜんぜん怒っている様には見えないわよ・・・。
「あはは〜っ、祐一さんは大きい方がお好きですからね〜。」
 更にその奥からもう聞き慣れてしまった独特の間を持った声がする、佐祐理先輩ね・・・。
 もう卒業して大学に通っているのだけれど、何か有るたびに川澄・・・違ったわ、舞先
 輩と二人してアタシたちの様子を見にきてくれる優しい先輩。
「うぐっ、そうなの祐一くん?」
 小さな悲鳴が上がる。今の佐祐理先輩の話しが本当だとしたら、危機的状況に置かれる
 事になる筈の一人・・・。
「そう・・祐一、いつも私の胸ばかり見ていた・・・。」
 やっぱりそうだったのね!
「そうだったのですか相沢さん・・・こんな酷な話は無いでしょう。」
 かける言葉も見つからないわ・・・。
「わ、私は大丈夫だよね?」
 復活を果たした名雪、その胸を見る・・・微妙ね。
 名雪の表情が曇る、何故かみんなもアタシを見つめる・・・。
「な、何?」
「香里、さっきからみ〜んな声に出してるよ・・・。」
 親友がトドメを刺してくれた。
                   
                      〜つづく

                      【予告】
少女たちが何よりも望んだかの人との再会は果たされた。然しそれは物事の根本的解決と
は程遠い物だった。失踪の理由、異形の巨人、光の道。
数え上げれば解からない事だらけである。
 『実は俺・・・』
そしてその中心人物の彼の口から驚愕の事実が告げられる。

 『相沢君のバカぁ〜!!』
炸裂するかおりんパンチ!!流れる様な連携でかおりんコンボ完成!
 『久しぶりに“コレ”も如何ですか?』
差し出されるオレンジの悪夢。
 『うぐぅ。』
特に意味は無い。
 『あうぅ〜。』
これも意味は無いし、真琴に出番も無い。
 『そんな酷な事は無いでしょう。』
大丈夫、君の出番はまだまだ有る。
相変らず作者の趣味で出番に格差が有るのはデフォルトだ。
 『うにゅ?にんじん食べれるよぉ〜』
奇遇だな、俺も食べれるぞ。だが、魚は食わんぞ!
 『何だかドラマみたいでカッコいいですね。』
ドラマでは無くSSだ。
 『そんな事言う作者なんてキライです!』
 『その様な作者は人として不出来でしょう。』

香里視点で繰り広げられる不定期連載『ダンバイン・カノン』、次回を待て!

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                        【あとがき】

やっちまったヨ・・・。
新シリーズ。
2話後編も書かず何をやってるんだ俺は〜!
・・・
反省。
             反省終了!

え〜、後編は書いてますよ・・・本当です。
今回、手元にダンバインの資料がな〜んにも無くて、どうしようもなかったので、資料が
無くても書ける方法を考えていたらこうなっちゃいました。

香里が何でスクーターに乗ってるのと、突っ込まれましたが、あくまで個人的なシュミで
す。決して某所で連載されている
某スクーター日記に当てられたわけで
はありません。

何と無くシリアスっポいですが、作者は軽いノリのお笑い系で行こうと思っています。
ダンバイン本編とはかなり異なる話になりそうです、そうしないと死んじゃうからね(笑)。
作者にしては今回とても短かく切りましたが、今後はこれ位で行こうと考えています。
今までの書き方だと、私が死んでしまう!

何かありましたら掲示板の方へどうぞ。すっかり私の日記と化していますが、気になさら
ず書いてってください。

・ ・・本当は、ゲドに乗せようと思ったんだけれど、飛び道具がな〜んも無いんで
ダンバインにしました。カット・グラも捨てがたいんですが、余り覚えていないので
止めにしました。



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