最初に・・・・

私が最初に出会った古関さんの「MO・TO・NO・BU手記」。。。ここでたくさんのことを学ばせていただいたし、手記は全てプリントアウトして、150ページ以上の1冊の小説のように作って家族全員で読ませていただきました。涙無しでは語れない手記です。そして、「ドーマン法」についての知識もここで学ばせていただき、まさに「MO・TO・NO・BU手記」は私たち家族の「バイブル」的な物となっています。
藁にもすがる思いで、さっそく「ドーマン法」を実践することにしました。
ここで、古関さんの実践を参考に私たち家族が実践した
「オリジナル・ドーマン法」を紹介いたします


●視覚への働きかけ
ペンライトを使い、部屋をなるべく暗くして、ペンライトを眼球から1センチくらいの位置まで近づけ、スーッとそのまま前方に2〜30センチくらい離していく。
1センチのときは瞳孔は小さくなり、離すと開くのですが、脳の障害が重い場合は反応しなかったり遅かったりしますが、根気強く続けてください。
あとは、光を目先でちらつかせながら、明暗なんかをつけることで、視床下部から脳へダイレクトに刺激してくれます。
瑞希の場合は視覚の部分は大丈夫だったので、これは退院後初期だけの実践でした。

●聴覚
鈴とか笛、カスタネット、携帯の着メロ等の電子音なんかも良いでしょう。ともかく、音の鳴る物ですね。
耳元で、言葉をかけながら音をはっきりと鳴らします。そして反応を確認します。
耳元で話し掛けるだけでも良いでしょう。
できるだけ親がやった方が効果があると思います。
本人の記憶に1番残っている可能性が高いからです。
あとは、本人が障害が起こる前に好きだったり、聞いていたりしてた曲の入ったテープ、CDなどを流してあげてください。あとテレビ番組もですね。
訓練中、又はそれ以外のときにも流してあげてください。
記憶の残った脳細胞が、ニューロンとつながる可能性があります。
テレビはなるべく顔の近くに置き、光の変化が多く、番組の中での会話が言語の刺激として耳に入ります。

瑞希も、ある時期から「音」に対する反応が早くなっていったように思います。


●嗅覚
アンモニアのような刺激の強い匂いのするものとか、香水など。また、本人が好きだった食べ物など。
鼻の下に持っていき、嗅覚を刺激します。
瑞希の場合、食べ物系を多く嗅がせたせいか?今でも異常なまでの食欲旺盛振りを見せています。
少し後悔。。。

●触覚
亀の子タワシ、爪楊枝を20本くらい束ねたもの。
手のひら、足の裏、頭部を軽く叩いたりこすったりします。
痛がって手を引いたりするようになればかなり反応が上がってくるはずです。
そのほかにもいろんな物に触らせて、触感を確認させてあげることも必要でしょう。
「痛い」と感じたものには警戒心を抱いて触らないようになります。
もし触るようであれば、耳元でやさしく「触っちゃダメよ」と繰り返し言ってあげるなどすると、ある程度の効果はあるかもしれません。

●その他
その他の実践例として、
わざと布又は衣類などを頭から覆いかぶせ、自分で取り払うように意識的に繰り返しました。
最初の頃は取り払おうともせず、そのまま動かないで固まっていた瑞希でしたが、何回か繰り返すうちに、反応は遅いまでも、なんとか取り払うことが出来るようになりました。
これは今でも続けています。反応は早くなりました。
第2ステップとして衣類を自分で脱ぐことができるように意識的に訓練すること。
まだ一人では脱ぐことは出来ませんが、一定のところまで服を上げてやると、そこからは自分の力で脱げるようになっています。
徐々に服を上げるラインを下げながら地道にやるしかないですね。

それから、CTで画像を見せられたと思いますが、
どちらがわの脳(左脳、右脳)に萎縮が多く見られたかを覚えていますか?
(または、医師に確認してみてください)
左脳に萎縮が多くあったのなら、
体の右側の部分に多く刺激を与えてください。
右脳ならば体の左側です。
目、耳、手足は全て反対側の脳とつながっています。
全体的に脳に萎縮があった場合は、
上記にあげた訓練をしながらの回復の度合いを見ながら行えばよいと思います。

MIZUの場合、右側に萎縮があったので、
左側を重点的に訓練しました。
お話するときは左眼を見ながら、または左の耳に話し掛けたりしました。
手足も同じです。

参考までに、
左脳は、計算、暗記、言語、判断等の部分を司るのだそうです。
右脳は、創造性、感性、感情等、性格的な部分だそうです